| 2001年6月17日(日) | 天気 : 晴れ |
それはさておき、昨日話をしてたときに仕事のことについて聞かれたんだけど、たしかに「研究」してるって何をしてるか普通にはわからないだろうな、と。
日本の大学の場合だと、一部の大学を除いて研究専任の助手ってのはないので、大学で働いてるっていうと研究だけじゃなくて学生の指導や授業(講師以上)があるので多少は想像しやすいかと思う。
自分の今のポジションは、一般には PostDoc(ポスドク)と呼ばれていて、博士号をとったのの人がまず最初に応募するポジション。 このポストは期限付きで、多くの場合はその公募してる大学や研究所でやってるプロジェクトがまずあって、それに参加して働く人が求められる。 今居る LBLのグループでは他に自分のしたいことがあればそれをしてもいいと言われているので、もとのプロジェクトの邪魔にならない範囲で自分のしたいことも出来る。
このポスドクの職の期限は多くの場合、2年の期間(一年ごと更新)で、必要ならさらに一年延長可能、という契約になってて、よっぽどひどくない限り普通は更新してもらえて 3年の期間そこに居れる。 それを超えると、ポスドク・ポジションでの延長は出来ないので、その上のポジションに応募するか他のところのポジションに応募することになる。 居るところのポジションにしろ、他のところにしろ、自分の職の切れる前に公募が無いとどうしようもないんだけど、アメリカでは人との移動はもともと頻繁にあるので、日本に比べると公募の頻度は高いので、その辺はあんまり心配してない。
日本だと、旧文部省と旧科技庁の「ポスドク一万人化計画」で、大学院生とポスドクのポジションだけは増えたんだけど、その先は今まで変わってないばかりか、大学職員は公務員だからと言う理由でポジションは減っていく傾向にある。
ポスドクのあとは、Assistant Professor か、もひとつ上の Associate Professor に応募することになるんだけど、アメリカではこれらも終身雇用ではなくて、期限付き。 大体 5年位のところが多いらしい。 この期間の業績が認められると、Tenure と呼ばれる終身雇用の権利がもらえて、それで初めて教授のポジションに応募できるようになる。 この点、いったん大学にもぐりこんだら、何もしなくても退官までぬくぬくといる人がいると言われる日本とは違う。 日本でも大学教官に任期制を導入しようという話もあるけど、これは大学に限らず人の移動があたりまえのアメリカだからうまく行ってる話だと思うな。
ところでなんで今日はこんなことを書いているかということのもう一つの理由は、テレビで「やまとなでしこ」をやってて今日は最終回。 そこで、主人公の男がニューヨークの大学の非常勤講師に採用してもらえることになって、友達から「講師の給料だけでやっていけるのか?」とか聞かれてた。 そこで思ったのは、非常勤講師ってなんに対応するんだろうか、そんなのあったかなぁ、ってことと生活できないほど少ない給料ってことはないだろう、と。
大学の元指導教官の紹介で通ったポジションみたいだけど、グループのボスの融通が利くのはポスドク・ポジションじゃないだろうか。 でも、話の最後の方では授業もやってたし。 そうすると、研究専任で授業をすることなんてないんだけどなぁ。 授業をするってのは、Tenure track(終身雇用の資格がもらえるチャンスのある)のあるポジションだろうから、そうすると一教授の権限だけでは決まらないじゃないかと。 そういう場合は、Division や Department(日本だと学科)レベルで人事は決まるはずなので、なんだか違和感を覚えたってわけです。
もっとも、「そんなやぼな、細かいことにいちいちこだわらなくても」って言われるかもしれないけど、物理屋にそんなことを言っても無理です(笑)。 論理で自然界を理解しようとするのが科学者の仕事ですから。 理屈っぽくなるのはしょうがない。